Human ヒューマンアカデミー

メニュー

感情コントロール手法

 人は誰しも感情を持っているものです。その感情はどのようなものでもあってしかるべきですし、 感じたことは素直に表現したり認識したりすることで、自分が何を思っているのか、どういったことに反応するのかがわかってくるようになります。
ただし、その感情を垂れ流しにしてしまっては、ときに角が立つこともありますし、その場の空気を凍りつかせてしまうことにもなります。 また、激しく揺れた感情のままでいては、仕事や普段の生活にも支障が出ることがあり、円滑に日常を送ることもできなくなるといったことも起きやすくなってしまうのです。
激しい感情をそのまま表現してしまうことは、場合によって人間関係において意思疎通ともなりますが、度を超えてしまうと逆にコミュニケーションの支障にもなってしまうでしょう。

 では、うまく感情をコントロールするにはどのような方法があるのでしょうか?


抑えつけるのが全てではない

 例えば、怒りなどの感情をストレートに出して人に怒鳴ってしまったり、悪い場合には手が出てしまったりすることもあるでしょう。 このようなとき、周囲からは「やめろ」とただ諭されたり、「あの人は感情を我慢することもできないのか」と冷ややかな目線で見られたりすることもあります。
そうした流れから、自分から湧き上がった感情は我慢すればいいのかと思いがちです。 しかし、ただ抑えつけてなかったことにするだけがよい解決法ではありません。 人間は特にマイナスの感情が起こったとき、それを無意識に心の奥底に閉じ込めてしまう傾向があります。 それが無意識であるがゆえに、マイナスの感情を持っていることにすら気付かないまま過ごし、何らかのきっかけで抑えつけていたものが爆発してしまうこともあるのです。 そうなると、さらに「またやみくもにぶつけてしまった」という反省だけが残り、さらなる抑圧につながってしまいます。
 無理やり自分の感情を抑えつけてしまう前に、自分がどのようなことで反応したのか、それに対してどのような気持ちを持ったのかを冷静に見つめる間が必要になるといえるでしょう。 そして、その反応に対してなぜそのように思ったのか、自分の根底にある意識にまでたどりつくことができれば、冷静になれるだけではなくその感情の本質に気付くことができます。


具体的なコントロール手法

突然湧き上がってくる怒りや悲しみなど、特にネガティブな感情に関しては、表に出すことをコントロールするのは非常に難しいことであるともいえます。 もしそのような場面に直面した場合、自分でもすぐに実践できる方法がいくつかあります。 それを頭に入れておけば、感情が湧きあがる場面に直面しても比較的冷静に対処することができるようになるのです。

一呼吸置いてみる

一般的に、突然湧き上がった怒りの感情も数秒すれば落ち着くものと言われています。 「カッ」となるピークはその数秒間のみということで、それを過ぎれば徐々に落ち着きを取り戻していくというのです。 もし何か激しく感情が動くときがあれば、赴くままに外に出す前に一呼吸置いてみましょう。

一旦抑えてしまったら、後でその感情を書き留める

湧き上がった感情を抑えてしまうとき、時間がたてばその感情はなかったこととして奥底に沈められてしまいがちです。 しかし、それはその感情がなくなったということではなく、あくまで自分の中に閉じ込めてしまったというだけのことなのです。
そんなときは、冷静になって紙やノートなどに、激しく感情が揺れたときのことを書きだしてみるのがよいと言われています。 それが起こったときの状況、その場にいた方がどのような態度を取ったか、何の要素で最終的に怒りに達したのか、 そのときに自分がどう思ったのかなど、詳細に書き記すことで、その当時の状況を客観的に見ることができます。

激しい感情を起こしたことを責めない

このように怒りなどの感情をそのまま激しくあらわにしてしまうことで、反省や後悔をしてしまうことも多くあるでしょう。 しかし、その感情が起こること自体は決して悪いことではなく、むしろ自然なことなのです。 怒ってしまった自分、悲しみを強く感じた自分を責めることなく自分自身で受け入れることが、抑圧から解放される第一歩となります。



コントロールするための精神力

 突如湧き上がってきた感情をその場で吐き出してしまうことは、確かに楽なことですし、ときにはなくてはならない動きです。 しかし、さまざまな集団や組織で生活をしていかなければならない私たちにとって、そのままを垂れ流すことは人間関係を築く上で不利になることもあるのです。
感情をコントロールすることは、本人の精神力を要することであるともいえます。 ただ単に我慢するのではなく、意識して激しく噴出しないようにすること、また冷静な視点に立って考えることだけでも、強い意識下でこそ行えることなのです。
この精神力に関して、もともと自分は弱いものだと思い込んでいたり、激しく消耗するものだと考えていたりすると、 やがてすぐに堪え切れなくなってしまってコントロールどころではなくなってしまうことがあります。 しかし、ある実験では、「精神力の持続は自分次第である」という考え方にシフトすれば、 精神力とはすり減るもだと考えているときよりも実際に集中力や根気が上昇したと報告されています。
 実際に自分で何とかできるという実行に移す前に、何とかできるものだという考えを植え付けるのが有効であるとその実験報告では語られています。 感情の起伏が激しい自分を受け入れると同時に、コントロール方法を実践できるのは自分次第と考えるようにすれば、 より効果的に自分の感情と付き合っていけることになるでしょう。


 感情のコントロールとは非常に難しいものであり、生きていく上での課題の1つでもあります。 誰にでもよい顔をするのがそのゴールでは決してありません。 いろいろなことに怒ったり悲しんだりすることはあってしかるべき感情なのです。
大切なのは、その感情をいかに自分が否定しないか、こんな自分であるということを十分に受け入れ、 納得した上で毎日を過ごすことができるかが重要であるといえます。

コラム一覧へ戻る