日本語教師の収入

 日本語教師の年収の平均は、150~300万円ほどになります。 結婚して、子育てをしながら生活していくことを考えますと、やりくりの難しい年収であると言えます。 なぜこのような状況になっているのでしょう。

非常勤講師

 例えば、日本語学校の教師の雇用形態は、専任と非常勤の割合が3:7と言われています。 これは日本語学校が国内に広まった90年代から変わっていません。 7割の日本語教師は非常勤で働いていることになります。 非常勤で働くということは、給料は自分の受け持った授業の授業回数(コマ数と呼びます)によって支払われます。 一例を挙げますと、1コマ1800円だった場合、1日4コマを受け持てば日給7200円、それを週に5日間働いて、月収は14万4000円となります。

 収入を増やすためには1日あたりのコマ数を増やすしかありませんが、ここで授業以外の業務が問題になってきます。 1コマの授業を行うためにその授業計画を立て、教材・教具を準備しなければなりません。 また、背景知識として日本語学や場合によっては日本事情、社会情勢などの勉強も必要となります。 授業の準備で授業以上の時間を費やすことも珍しくありません。
またテストの作成や採点も自分で行わなければならないため、その分の作業時間もかかります。 さらにクラス担任になった場合は、受け持った生徒からの質問に回答したり、生徒の進路相談に応じたり、事務処理等、授業以外の業務もあります。 こういうふうに多忙になると、非常勤の場合、収入を上げるためにコマ数を単純に増やすわけにはいかなくなります。 事実、日本語教師の中にはプライベートな時間がほとんど取れない、という方もいらっしゃいます。 また、学校が休みの際には働きたくとも働けなくなるため、月の収入が不安定になります。 さらに自分が希望しただけのコマ数が確保されない事態も考えられます。 しかし、通常は、担当の授業やクラスのことだけに集中していればよく、それ以外の責任は負わせられないのが普通です。

専任講師

 専任講師になると、通常は、正社員のように月給制です。 賞与も所属する学校、団体、組織によっては支払われます。 非常勤講師よりも収入面では安定していますが、自分の授業・クラスだけでなく、 教務・校務を分担し、全体の授業運営に関するさまざまな業務をこなすことが必要となります。

大学の場合

 大学で留学生を対象にした授業を受け持つ場合は、非常勤であっても1コマあたりの金額は大きく上がってきます。 専任として雇用されれば、さらに高収入になって生活も安定します。 しかしそれは、日本語教師全体の数からいえば、ごくわずかに限られるのが現状です。
 このように日本語教師は給与面で他業種よりも厳しい状況に置かれていますが、それにはいくつか理由があります。 まず日本語を学ぼうとする状況が、国際的に見てあまりポピュラーではないからです。
日本語は日本人しか使用しません。世界の人口が約70億人として、日本国民は約1億人です。 中国語の使用人口が10億人、英語の使用人口が20億人と言われていますので、その差は歴然です。

さらに日本語を学ぼうとするのは、アジアの国の人々が主です。 日本の物価はアジア諸国の物価に比べて高いですが、授業料や学費は日本語を学ぼうとする学習者側に合わせて設定する必要があります。 授業料や入学金をあまり高額にしてしまうと、学習者が集まらないからです。 そのため、日本語教師の給与も、それほど高額には設定できないという事情があります。

以上のように、日本語教師は、給与面では他の業種と比較して苦しい面があることを理解してください。 それでも学習者との交流を通して、国際的な貢献や、学習者自身の人生に大きく関わることができます。 このやりがいは、単純にお金で片づけられるものではありません。 自分の人生をどう捉えるか、お金よりも大切な価値を考えた時、日本語教師という存在は大きく輝くのです。


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