日本語教師に必要な能力・知識

日本語教師に必要な能力や知識は多岐にわたります。 現場では、単純に日本語についてだけでなく、日本文化や世界情勢についても、知識と自分なりの見解が求められます。 そして、なにより学習者のために日本語を教えたいという情熱と、奉仕の精神が必要です。

「日本語を習得する」とは

 日本語を母語とする人が日本語を習得する過程と、日本語が母語ではない人が日本語を習得する過程は、全く違います。 日本語が母語の人は、例えば「あれは富士山です」と「あれが富士山です」を特に悩むことなく自然に使い分けます。 これは、生まれてこのかた、時間をかけて自然に日本語を習得していく中で、その使い分けの知識が無意識に頭におさめられたからです。 しかし、母語の違う外国の方には、そうした知識がないため、違いが分かりません。 それを、短時間で意識的に頭に入れていれなければならないのです。
 日本人が英語を習得するのに苦しみ、日常会話の習得にも多くの時間がかかるのと同じように、外国の方が日本語を習得するにも、多くの手間がかかります。

指導に必要な知識

 そんな外国の方が日本語を使えるようになるまで指導するには、まず日本語の文法、語彙、音声などについての知識が必要です。 さらに人間が言語を身につける上でのプロセスを扱う言語習得理論、どのように指導したらよいかを扱う教授法理論、教育学や異文化コミュニケーションに関する知識も求められます。 また、それに付随して、日本と世界の歴史、国際情勢に関する最新の知識も必要になることがあります。 また、言語と文化は切り離すことができませんから、日本の文化や習慣、食文化からサブカルチャーに至るまでを紹介することもたびたびです。
日本語教師には、こうした幅広い知識と、それを理解してもらえるスキルが求められます。

日本語教師の資格

 文化庁は、具体的に日本語教育を行う者の標準習得内容として、420時間の履修内容を定めました。 大学の日本語教育課程、スクールの授業内容などはこの履修内容に従って決められています。 学校に通わず、自宅で学ぶ通信教育でも同様です。この420時間の履修は、日本語教師になるための一つの資格です。 また、日本語教師になるための知識が習得できているかどうかを測る試験があります。 日本国際教育支援協会の主催する「日本語教育能力検定試験」がそれです。 年に1回、全国7ヶ所で同日に行われる大規模な試験です。 合格すれば証明書が発行され、これがやはり、日本語教師の資格の一つとして扱われます。

 日本語教師には教員免許がありません。 免許制にしてしまうと、まだ日本語教育に関する制度が整っていなかった時代から日本語教師をしている人や、 自主的に活発に日本語を教えている人たちの活動を妨げてしまうおそれがあるからです。


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